僕の死に方
『――昨夜未明、住宅街の路地裏にて、重傷を負った男性が保護されました。腹部の刺し傷から、以前、同住宅街で起こった通り魔事件の同一犯の犯行と見られています。犯人は未だ特定されていません。被害者の男性は、いまだに意識不明の――』
 自室のベッドの上に寝転びながら、テレビから流れてくるニュースに耳を傾ける。

 第三者による犯行――というのは、どうだろう。
 それなら保険も出るだろうし、何より不自然じゃない。
 それに、自分で自分の命を奪う、というのは、やはり好ましくないように思える。
 別に、キリスト教だとかそんなものを気にしているわけじゃないけど、どうせ死ぬなら、自分ではない誰かの手によって、だ。
 その方が、自分の死を、より重く感じられるような気がする。
 自分の死を、たとえ相手が通り魔だったとしても、その人に背負って欲しい。

 それこそ、理想の死に方と言えるのではないだろうか。

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