約束の日
男の収入は決して安定していない。

一方、女は十分な蓄えがあった。

だから女は、男の住む部屋の家賃を半分肩代わりしている。

同じ部屋に一緒に住めば負担も軽く済むのだが、

互いのプライベートな部分は尊重したいという女の意思から、別々に住んでいる。


約束の時間まで45分。

まだ十分に時間はあるのだが、

心配性の女は益々不安を募らせる。

まるで、少し子供の帰りが遅くなっているくらいで過剰に心配する、過保護な母親のように…

虚しく過ぎる時間、増える吸い殻の山。

女は苛立たしげにテーブルを指で突きながら、

じっと携帯電話を睨んでいる。
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