クリスティアナ
何が起こったんだ?



しばらくして放心状態から我に返ると身体を起こした。



見下ろすと胸が露わになり所々に赤い花が咲いていた。



っ!奴は何をしたっ!?



急いで胸のリボンを結ぶが、その手はまだ震えている。



寝台から降りると身体がぐらっと揺れ、寝台の縁に手を置いた。



膝が震えていて、しっかり立てなかったのだ。



腰が砕けたような感覚にずるずるとその場に座り込む。



何をしたんだよ……バカ野郎……。



膝に額をつけると夜着がぽたぽたと涙に濡れていった。








カミラがクリスの部屋に入ってまず目に入ったのは床の上に倒れるようにして眠る華奢な体だった。



「クリス様っ!?クリス様っ!?」



駆け寄りクリスの身体を揺さぶると、ゆっくり目蓋が開き青い瞳をのぞかせた。



「ああ 良かった!どうしたのですか?このようなところでお眠りになって」



「え……?」



クリスは見回すと自分が床の上に寝ていたことに気づいた。



あぁ……そうか……あのまま……。



「寝相が悪くて落ちちゃったみたいだ」



起き上がり両手を上に伸ばして伸びをする。



帰ろう もうここにいる必要はない。



< 102 / 210 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop