クリスティアナ

逃げ出したい

「っ……!な、何をするんだ!」



キースの胸を強く拳で叩く。



「いってぇ……じゃじゃ馬め」



「キースにも結婚相手がいるんだろう?俺とキ、キスなんかしたらダメなんだ」



俺が必死に言っているのに、キースは楽しそうな顔になった。



「ほんと、浮気者だな 酒場でもあのきれいな女と……あの時は分からなかったけれど、ああやって女と、寝るんだろ ひどい奴だ お前の妻になる女性が可哀想だな」



キースの顔にむしゃくしゃして次から次へと言葉が出る。



「そうそう、俺は浮気者なんだよ だからやらせろ」



「や、やらせろ……?」



乱暴な言葉遣いにクリスは面食らう。



「そうだ、愛なんて関係ないんだろう?もっと練習を積まなければ夫を満足させられないぞ?」



キースはクリスを抱き寄せると、少し乱暴に唇を重ねた。



「んっ……や、やだ!やめろ」



キースから顔をそむける。



力ではかなうわけがない。



キースはクリスを抱き上げると寝台へ運んだ。



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