クリスティアナ
「あ~ けっこう切れてるぞ?女なのに傷作っちゃったな」


自分の袖を引きちぎると俺の腕に手際よく巻いていく。


俺はあっけに取られたままされるままだった。


「ど、どうして俺が女だとわかった?」


「どうしてって、稀に見る美人さんだし、肌がどうみたって男じゃないだろ」


稀に見る美人と聞いて俺は言葉につまった。


「暗いから良くわからないけど、きれいな髪の色だな?」


そう言って赤毛の男は俺の髪を撫でた。


心臓がドクンと大きな音をたてた。


爺さん以外、いや爺さんも大きくなってからは髪に触れたことがなかった。


赤毛の男に触れられて驚き、慌てて男の手を払った。


パシッ!


「俺の髪に触れるな!」


「お~ とげとげしちゃって」


手を乱暴に払ったのに男は笑みを浮かべて見ている。


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