クリスティアナ

しつけと勉強

人の手を借りる事など生まれて初めてだった。


爺さんが生きていた頃、熱を出しても自分ひとりでやっていた。


もっともこんなに気分が悪い事など無かったのだが。



寝台に横になり目を閉じていると部屋の空気が変わったのが分かった。



「つらそうですね?」



透き通るような声が聞こえてクリスは目を開けた。



「放っておいてください」



ガラムに言うと再び目を閉じた。



額にひんやりとした手が置かれた。



気持ち良い……。



そう思ったのが最後でクリスは眠りに落ちていった。



「リリア殿、眠らせましたよ 眠ればそれだけ早く回復する」



「はい それは良かったですわ 辛そうでしたから」



ガラムはクリスの腕を診て帰って行った。



次に目を覚ました時はキースがイスに座って目を閉じていた。



あの男、いつからここに……?



気分は少し楽で物事をはっきり考えられるくらいになった。




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