ミルクティー
「何か悩み事?

元気、無い感じがするよ」

「そ、そんな事無いよ!

大丈夫」



笑顔で言う私。



さすがに海斗に『講演会について悩んでいます』とは言えない。


だって海斗も忙しいはずだもん。





1人で大丈夫…






「何かあったら話してね」

「……うん」



こういう時、海斗って本当に優しいなぁ〜って思う。

自分だって忙しいはずなのに私を気にしてくれる。

海斗のこうゆうとこ、結構好き。




「そう言えば今日はいつもより帰り、遅いよね。

何かあったの?」


急に思い出したように言う海斗。



……『講演会について呼ばれていました』とはやっぱり言えない。



「教室で友達とお喋りしていたら遅くなっちゃった…」




海斗の前で嘘をつく。

これは海斗に迷惑かけたくないからつく嘘。

気付かないで。



「ふぅ〜ん、そっか」

「……うん」





気付かれなかった。

本当は1人じゃいっぱいいっぱいでどうしていいかわからない。





けど海斗に迷惑はかけられない。





だから




1人で頑張る。




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