ミルクティー
「どうして日本語じゃないのー…」



私の事が好きなら、日本語にしてよ…

英語が苦手な事、わかっているくせに…

私は2人の前で泣いてしまった。


けど…

海斗がわざと日本語にしなかったのは、私の為。

英語が苦手な私に、少しでも自分で調べて勉強するように。

それにこの英文は、海斗がキスの後に言った文と一緒。



「雛那、今は辛いと思うけどしっかり乗り越えよう。

海斗は雛那の幸せを願っているんだから…」



そんな事、言われなくたって分かっている。

海斗がどうして言わなかったのかも、どうして1人で出ていったかも…


これが現実なのに…

受け止めなきゃいけないのに。

全然ついてこない。



「雛那チャン、俺海斗の見送りで空港へ行ったんだ…
それで俺、聞いてみたんだ。

『雛那チャンの事は諦めるの?』

そうしたら海斗が言っていたよ。

『たぶん俺の気持ちは変わる事がないと思う。
けど、俺が日本に帰って来た時に雛那ちゃんに大切な人が居た時はあきらめる』って…

海斗は今でも…これから先も雛那チャンの事が好きだと思う」


「だったらどうして、何も言わないで…」


「海斗は!!

海斗はいつ日本に帰ってこれるか分からないんだよ。
もしかしたら一生日本に帰って来る事が出来ないかもしれ無いんだ。

それがわかっているから海斗も言わなかったんだと思う。『俺が帰ってくるまで待っていて欲しい』って…」



帰ってこられない…

もう一生、海斗と会う事は出来ないの?



「海斗は、雛那チャンにどうしても幸せになって欲しいんだよ。

手紙にも書いてあったでしょ?

『雛那ちゃんはこれから先、誰かを好きになると思う』これは恋をして、幸せに…って事なんだよ。
海斗は『雛那ちゃんと過ごしたこの1年は本当に幸せだった』って何回も聞かされたんだ」





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