凶漢−デスペラード
30分もしないうちにミイとハルカという少女がやって来た。

ジュリが言う通り、実物の二人はその辺のアイドルなんかより余程可愛い。

二人共、現在はぶらぶらしてて、特に定まった仕事はしていないと言う。
遊ぶ金がある間は働かず、気が向いたら年齢をごまかしたりして、新宿や池袋の風俗店で働いたりする。
一応、幾つかの店に在籍だけは残しているらしい。

「二人共どういう内容の店だか判ってるかい?本番が前提のデークラだがそれでも構わないんだな?」

「平気だよ。普通の店でも、大概の客がやらせてくれって言って来るし、その方がお金にもなるし。」

あっさりとそんな事を口にする十代の少女を目の当たりにすると、さすがの竜治も返す言葉が無かった。

女はしたたか…全くその通りだ…かなわねえな……

そんな事を思いながら、彼女達を眺めていた。
三人の会話は、周囲を憚る事もせず、まるで店内に他の客が居る事など目に入らぬかのようだ。

そうこうしてるうちに、上原もやって来た。

三人に引き合わせ、新しく店の名前がエンジェルキスになった事を告げ、竜治は自分の思い付いたプランを話始めた。

「会員限定スペシャルコースですか…いいかも知れませんね。十代の少女ばかり限定…いっそ、女子高生、中学生て売りにします?」

業界にどっぷり浸かった人間だから、やはりこういう話になると乗りが良くなる。

「その辺は任せるよ。」

後はどう客に宣伝するか……

竜治は目の前のジュリ達を見て、ふと閃いた。

「客への電話営業は、直接この子らにさせてみたらどうだ。」

「女の子達にですか……」

「おもしろそお、やる、やる。ね、やってみようよ。」

ジュリが他の二人を煽ると話しは簡単に決まった。

「電話するのはいいけどさ、どうやって話すの?」

「大丈夫、何時もの調子で男にエンコー持ち掛ける感じでいいじゃん。」

「そうだね。テレクラやってるつもりならば簡単か。」

「ねえ、リュウちゃん、何時から始めるの?」

「今からだ。」

「えっ?!今からですか?」

「ああ、今からだ。」

エンジェルキス……のし上がる踏み台になってくれよ……

竜治は自分の身体が熱を帯び始めて来たと感じた。
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