小さな恋【完結】
「もう、朝だ……」


寝る間も惜しんでたくさんの想い出をつくったけど、まだ足りないよ。


まだ、全然足りない。


だけど、外は少しづつ明るくなっていく。


あたしと大知はベッドの上に座って、手を繋いだまま窓の外を見た。



もうすぐ、離れ離れになる。


唇をギュッと噛み締めると、大知はそれに気付いたのか繋いだ手にギュッと力を込めた。


大知の横顔が朝日で赤く照らされている。


一年間、その横顔を間近で見ることはできないんだよね……?



あたしは大知の横顔を瞼にしっかりと焼き付けた。




< 395 / 460 >

この作品をシェア

pagetop