小さな恋【完結】

「大知、何を買うの?」


大知は老舗デパートに入ると、他には目もくれずエレベーターに乗り3階のボタンを押した。


エレベーターの中は二人っきり。


3階までの数十秒が、あたしにとってはとてつもなく長い時間だった。



「まだ分からない。つーか、まだ決めてない」


「……そっか」


エレベーターを降りると、大知の足は真っ直ぐゴチャゴチャとした雑貨屋に向かう。


デパートのテナントの一つである雑貨屋は小学生や中学生で溢れかえっていた。


あたしも小学校の時、よくこの雑貨屋にお世話になった。


可愛いレターセットを買って友達と手紙交換をしたり。


交換日記用のノートをお金を出し合って買ったりもした。


でも、高校生になって段々足が遠のいていった。

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