ネコ専務シリーズ
ネコ専務の途上国支援
ネコ専務は社用でアフリカのある国を
訪れたが、その国は戦争こそしていない
ものの、貧困はひどく、飢餓と疫病が
蔓延していて、なんかもうグジャグジャ
であった。

それを現地で見たネコ専務は、自分の
会社のもつ強大な力を使って、ちょっと
でも何とかしてみようかと、いつもの
気まぐれで思い立ったのであった。

黒根社長に相談してみると、社長も同じ
黒ネコとして、アフリカの黒ネコたちの
ことが常々気になってはいたので、乗り
気になった。

アフリカの中でも特に貧しいその国に
物を売ったところで大して儲かりはしな
いが、会社のイメージアップのためには、
多少慈善的事業をしてみてもよいだろう
という判断である。


ネコ専務はまず、その国に大量に食料・
医薬品・日用品を販売したが、低価格で
売りながら、現地の価格システムを壊し
て現地人にかえって失業や倒産をもたら
してしまわないようにするなど、実際に
はいろいろと工夫しなければならない
ことがあった。

これにネコ専務は相当苦心したが、社外
から大学やNGOなどの多くの専門家を
集めて、うまい方法を編み出していった。

また、国連や赤十字といった国際的な
機関や、いろいろな援助団体に資金協力
したり、現物を無償提供したりしたので、
数年でその国の飢餓はなくなり、貧困も
かなり解消され、あれほど蔓延していた
疫病も、相当に押さえ込めたのである。

< 23 / 439 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop