ネコ専務シリーズ
猫魚戦争(長編)

猫魚(にゃんぎょ)

寧功宗(ねいこうしゅう)の法力僧で
あるネコ住職の元に、また本山から指令
が下った。

今回の任務は、最近、東海地方のある
町の沖合いに現れるようになった「猫魚」
(にゃんぎょ)を、退治すべきかどうか、
見て判断してこいとのことである。


ネコ住職はさっそく出かけ、自慢の法力
で猫魚の居所を感知したので、まずは
猫魚の話を聞いてみることにした。

猫魚とは、上半身がネコで下半身が魚と
いう妖かしの種族であるが、ネコ住職が
会った猫魚は、若い女の猫魚で、とても
美しかった。
実際に話をしてみると、非常に心優しく
穏やかで、善良そのものの猫魚であった
ため、ネコ住職はこの猫魚がいっぺんに
気に入ってしまった!

もちろん退治の必要などないと判断した
のだが、ネコ住職はこの猫魚ともっと
話がしたいと思った。そこで、

「もし何か悩みがあれば、わしの寺の
 法話に来なさい」

と言って、自分の寺の連絡先を教えたの
だった。
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