Sleeping baby ~眠り姫~


「ざけんな雅明!ヒカルがどこにも出て来ないじゃないか!マネージャー役のアタシはどうした!兄ちゃんは想像の中でさえアタシと一緒になるのがそんなに嫌なの!?」



ヒカルはイライラしていた。


長々と漫画みたいなシナリオを聞かされた挙げ句、最終的には登場させてもらえずにハブられて、目の前の兄に怒りが燃えて来た。


それに、この安っぽいシナリオ…



「雅明!ヤンキーマンガの読みすぎだから!」



何の青春マンガだ!!


イライラと怒りに燃えて兄に噛み付くヒカルを、呆気に取られた顔で見つめる雅明。



『ヒカル、言えるじゃないか!ちゃんと呼び捨て出来てるぞ!』



そこかい!!


ええ、言えましたとも。
怒りに燃えた勢いで「雅明!」とハッキリスッパリ呼び捨ててやりましたとも!



「兄ちゃ…いや、雅明…それでシナリオの続きは?」



ホンワカフワフワした兄の的外れな褒め言葉に、毒気を抜かれたヒカルは一応シナリオの続きを確認してみた。



『いや、もう良い。ヒカルが呼び捨て出来るようになったし。それにこのシチュエーションプレイはそんなに萌えなかったしな』



これってシチュエーションプレイだったの!?


兄妹の概念とか関係無いし!


っつーかチアリーダーのマリアって誰!?


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