Sleeping baby ~眠り姫~


ヒカルの胸には数々の疑問が渦巻いていたのだけれど、



『やったなヒカル!一歩前進したぞ!明日からはもう兄ちゃんって呼ぶなよ?さあ今日はもう遅いから寝よう』



兄ちゃん…


ヒカルは全然やったな!っていう気分じゃないんですけど…


どこが前進したのか全く分からないんですけど…



だけど、一人納得する兄、いや雅明を前に、とりあえず今日はもう寝よう、寝て忘れようと思ったヒカルなのだった。



うまくはぐらかされた気がするけど…まぁいいか。



そして今日もまたいつも通り、自分の部屋で眠りにつく雅明とヒカル。



目に見える進歩は無くとも、せめて明日こそは何か解決の糸口を掴みたいと思いながら目を瞑る。



こんな事になったのはあの常識ナシのアホ両親のせいなんだから、明日は母さんに電話で文句の一つでも言ってやろうと心に決めたヒカルだった。


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