朝月探偵の日常
太陽が眩しい。
普段こんな時間から外に出ない為、自然と目が細くなる。
階段を降り駐車場の自分の車に乗り込むと、目的の港へと向かう。
10年以上乗っている車だ。
エンジンが悲鳴をあげているのが聞こえてくる。
持ち主はというと、そんなことなと一切気にせずに、お気に入りのアーティストの曲を車内で全力で歌っているが。
8時30分。
目的の港に到着した。
潮の匂いなんて何年ぶりだろう。
ポケットから取り出したタバコに火をつけながら考えてみる。
「海最後に来たのいつだっけ…あ-ダメだ。思いだせねぇわ。」
記憶の旅を早々と切り上げ、依頼者からの手紙を読み返す事にした。