恋人と呼べる日
バシン!

「ど、どうした? 中臣」

側で話していた男二人の会話に耐え切れず、思わず机を思いっきり叩きながら立ち上がってしまった。

ちょっと目立ちすぎたかとも思ったがそんなことはどうでもいい。

だが、別に事を荒立てることもないので極力いつもどおりの笑顔を顔に貼り付けた。

「ちょっと、気分が悪いから保健室に行って来るよ」

「お、おう。気をつけてな」

「大丈夫か? ついていこうか?」

「いや、大丈夫。じゃあ」

まだ少し戸惑いの雰囲気を纏ったクラスメイトを後に残して、とにかく教室から抜け出した。

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