ズルイ人。
One
社会人になって二度目の冬がやって来た。
特にやりたいこともなかった私は大学や専門には行かず、とりあえず都会に出たくて今の職場に決めた。
私の仕事はレストランの厨房。
別にやりたいことではなかったけれど、それなりに続いている。
夢とかもなくて、ただなんとなく毎日を過ごしていた。
そんな時、久しぶりな名前が携帯に表示された。
もともとめんどくさがりな私。
こっちにきてから地元の友達とは、数人としか連絡をとっていなかったので驚いた。
高校の時によく一緒にいた恵ちゃん。
卒業してからは全く連絡をとっていなかった。