カベの向こうの女の子
ロングヘアーは飄々とした態度で言った
俺が驚くと、彼女はふき出した
「ぷっ…、そんなに驚く!?てゆうか、あたしが来たとき、春菜と勘違いしたでしょ?」
「そ、それがなんだよ」
ロングヘアーは可笑しくて仕方ないふうに、お腹を押さえている
「だって、振り返ったときの…顔っ!春菜の前ではあんな顔するんだね」
俺は顔が熱くなったのがわかった
こんなに笑われるなんて、そんな間抜け面していたのか
「うるせー、馬鹿にするならさっさと帰れ」
「駄目よ」
ロングヘアーはまた普段の強気な表情に一変して言った
「何が駄目なんだよ。つうか、春菜が来ないってまじかよ。また嘘じゃねーだろうな」
「あんた、疑いすぎ。幸せになれないよ」
「お前だからだよ」
ロングヘアーはわざとらしくため息を吐いた
「本当のことよ。テスト勉強したいんだって。それで、あなたのこと気にしてたから、変わりにあたしが会うことになったの」
「はぁ?それ無茶苦茶じゃねーか」