君、依存




 「理科係」

 「…はい」

 「…運んで」


 あれ以来理科準備室には
 行かなくなったし
 珪とも喋らなくなった

 ノートを運ぶ間も
 ずっと無言だ

 けど相変わらず
 ほとんどのノートは
 珪が持って行ってしまう

 もう少しで理科準備室だ

 やっぱりこの校舎には
 人影がすくない

 珪の大きな背中についていく




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