堕ちていく二人


桂司がお風呂に入っている時、上着の内ポケットにあった桂司の携帯電話から、メールの着信音が微かに聞こえた。

その音に気が付いた玲子は携帯の中を確かめようとしたが、ロックがかかっていて開かなかった。

玲子はこれまで桂司の携帯に着信があっても、気にもとめず触れようとはしなかった。

でも、今回は桂司の携帯を手に取り思い当たる番号を押してみた。
すると桂司の母親の誕生日でロックが解除することが出来た。

『桂司さん、昨日は私の誕生日プレゼントありがとうございました。
亜美はとても嬉しかったです。
それからフランス料理もご馳走様でした。
でも、亜美が一番嬉しかったのは、桂司さんの腕に抱かれている時でした。
また遊びに連れて行って下さいね。
亜美』

玲子はメールを読み終えて、亜美という女がどんな女なのか興味を持った。

桂司が自分を裏切って他の女と浮気していることも腹立たしかったが、それよりも亜美という女に会ってみたくなった。


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