堕ちていく二人
「最近足腰が少し弱くなってきたけど、元気にしてるわよ。お母さん、お姉さんの事を気にしてたわよ。桂司さんと上手くやってるのかと。そう言えば、お姉さん窶れたんじゃない」
以前に比べると頬の辺りがこけた玲子を見ながら、真紀は心配そうに言った。
「やっぱり分かるかしら」
玲子は少し言葉を詰まらせた。
「お姉さんどうしたの」
「実はね、桂司とは上手く行ってないのよ…」
「本当に?」
「詳しくは言えないけど、夫婦仲はすっかり冷めきっているのよ」
「そうだったの。お母さんが心配してたのが当たってたんだ」
「でも今は大丈夫よ。私には可愛い裕也がいてくれるし、支えになってくれる人もいるから」
玲子は真紀の耳元で言った。
「そうなんだ。そう言えばお姉さん何処となく綺麗になったと思ったわ」
玲子の言葉に察しがついた真紀はニヤリと笑った。