【完】笑顔
「おまえもなんだろ?」
突然そんなことを言われた。
『はッ!え、なんのことだよ。』
完全に動揺する俺。
「お前も瑞姫ちゃんのこと好きなんだろ?見てて分る。」
なんでわかるんだよ…。
俺ってそんなに分りやすいか?
いや、違うな…。
尚人だから分ったんだよな…。
尚人は俺のこと何でもお見通しだしな。
『そうだよ。俺は瑞姫が好き。ガキのころからずっとな。』
「やっぱりな。俺らライバルだな。」
『だな。』
「あ。言っとくけど、これで喋らなくなるとかナシだからな?」
『えッ??』
思いがけない一言だった。
「どっちが瑞姫ちゃんの彼氏になっても、恨みっこなしだし、今までの通りの関係で!な?」
『え、あ、りょーかい。』
「話はそんだけ!じゃーな。」
『ぜってぇ負けねぇかんな!!!』
俺は立ち上がり、尚人の背中に向かってそう言った。
尚人は振り返り、
「俺だって負けねぇよ。」

ぜってぇ負けねぇ。
負けてたまるかってーのッッ!!



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