Lovers
私と空は校舎に入っていった
休日の学校はひっそりとしていて
部活動をしている声が微かに廊下に響いていた
そして私の手を引きながら
どんどん階段を登っていく空
「ちょっと空〜どこ行くの」
「ええとこ」
それからはいくつ話しかけても
無言のまま
そして私達は
一つの扉の前に着いた
「目つぶって」
空の一言で私は目をつぶる
扉を開けたのだろう、
風が髪を靡く
空が私の手を引き進んでゆく
「目開けてええよ」
「…うわぁー!!」
私の目の前に広がったのは
高台にある、
屋上から見下ろす街だった