Lovers
「何これーっ!?」
私は興奮状態で、
空の腕をゆさゆさと揺らす
「夜景…ならぬ昼景…
みたいなかんじ?」
「…ばーか」
―嘘。
ほんとはすっごく嬉しかった
多分実らない私の恋を察して、
友人の翔太さんに頼んで
話を合わせてもらったのだろう
空はさぁ…優しいから
こんな惨めな私を
ほっとけなかったんだと思う
「ありがとう…」
私は小さな声で呟く
―すると
ギュウ
「…そ…ら?」
彼は私を後ろから
抱きしめていた
「…俺にしとけ」