地味男子
 潤君の笑顔が好き。


 地味さが好き。



 優しさが好き。



 いつのまにこんなに好きになっちゃったんだろう?



「ここかな?」

 澤田と書いてある表札の前まで来た。


「ここ!! ごめんね? 送ってもらっちゃって…」

「全然いいけど…足大丈夫?」

「平気平気!! こんなのどうってことない!!」

「大丈夫かな…」


 結構大きい声で叫んじゃった……。

「柴乃、うるせぇんだけど…」

 家から出てきた祐磨…。


「えっと…君は…」

「弟の祐磨だよ!!」

「弟だったんだ。 この間教室に来てたよね?」

「あ、どうも。 柴乃がどうかしました?」

 祐磨は道に出てきた。


 こなくていいのに…。


「ちょっとひねったみたいだから」

「すいません。 送ってきてくれたんですか?」


 大人の会話だ……。


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