地味男子
「気にしないで?」

「どうぞ上がって下さい」


「いや、迷惑掛けるしいいや。 弟さんのほうがお兄ちゃんっぽいね」


 くすくすと笑う潤君。


 うぅ……あたしのほうが料理だってできるし、家庭的だもん!!


 ぷくぅっとほっぺを膨らます。


「冗談だよ。」

「上がってって!! 潤君に手料理ごちそうする!!」

「悪いよ。……じゃぁ、よかったら明日お弁当作ってくれない?」

「えっ!?」
 

 お弁当!?

「いやだったらいいんだよ。彼氏でもないんだし…」

「いい!! 作る!!」



 やったぁぁぁ~!!


 おいしいって言ってくれるかな?



 明日が楽しみ!!



 潤君と別れて家に入ると祐磨のあきれ顔。


「家まで送ってもらわないと帰れなかった?」

「…ううん。 ちょっとクラスメイトに追いかけられてて…」

「男?」

「うん…。 そしたら潤君にぶつかって…一緒に逃げてくれた」

「そういうこと…まぁ、明日の弁当でお礼しろよ?」

「わかってるよ」



 祐磨のほうが上っぽいかな…。



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