初恋

食事が楽しく感じた



美味しかったし、じいちゃんとばあちゃんは仲良かったし



こんな夫婦になれたらいいなぁ




そんな事を考えながら、喋った





食事が終わり、夜の9時になった



そろそろ帰らなければ




「ばあちゃん、じいちゃん、もう帰らなきゃ」




一緒にテレビを見ていた2人は振り返った



「大丈夫なのか?」



じいちゃんが言った



悲しくなるとタクシーで勝手に来るから、わかったのだろう



「うん。大丈夫」



深く頷けば、ばあちゃんが



「お土産、持たせてあげる」



そう言って、色んな何かを可愛らしい袋に詰めて持たせてくれた



「また、きてね。待ってるよ」



「花優ちゃんに似合う杖、用意しとくからな」



「いらないでしょ(笑)」



「可愛いのなら欲しいかな(笑)」



少し笑って言えば、



「じゃぁおばあちゃんと一緒に見てくるよ」



「ありがとう」




それからタクシーに乗り込んだ



寒いのに、見えなくなるまで外に出て手を振っていてくれた



また涙が出た
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