初恋
手の甲がチクチクする



目を開ければ、目の前に鍋があった



チクチクは、とりがご飯をしらせてくれたみたいだった




「おう、飯だぞ。花優ちゃん、好きだっただろ?」



じいちゃんが隣りの席に座っていた




「うん」



じいちゃんは、確か結構年なはずなのに ばあちゃんと同じように健康だった



しかもオシャレの為だけに杖をついているから、近所では『杖じぃ』と呼ばれていた




「さあ、花優ちゃん手洗ってきて。ご飯よ。」



コップを並べながらばあちゃんは言った




< 104 / 238 >

この作品をシェア

pagetop