初恋
11
先輩の家に帰れば、玄関から高そうなカメラを持っておじいちゃんが出てきた



「せっかくだから、な」


そう言って、私たちを家の前に立たせた



先輩が少しだけ、私の肩を引き寄せた



びっくりして見上げれば、ピースと言って、指を作った



カメラの方に向かってピースをすると、シャッターを切る音が聞こえた




「新婚さんみたいだな!」



おじいちゃんはそう言いながら、ポーズの指示をしたりして私たちを撮り続けた




「よし、おわり!出来上がったら柊城に連絡させるからな」



ニコニコしながら言ってくれた



「ありがとうございます!」



なんて温かいんだろう



「寒いし俺みかん食いたいから部屋行こー?」



眉間に皺を寄せながら先輩は玄関を開けた




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