初恋
自分の部屋に逃げ込んだ


部屋のドアには鍵がない


怖さで押し潰されそうだった



私はただ、普通の子と同じような生活がしたいだけなのに



なんでこうも上手くいかないのだろう



携帯が鳴る



ばいばい先輩のアドレスが付いていた



震える手を見て、


母には慣れていない、



慣れた振りをしていただけなんだと気付いた



今までは外にいたから会う機会が少なかったけど、


朝起きて、いる
学校から帰ってきて、いる
お風呂の時も、寝る時も


今までは苦しくは無かったんだ


本当に辛いのは、これからなんだ


有り得ないくらい震える手でアドレス登録を済ませて、ばいばい先輩にメールを送った



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