初恋
【アドレスすみませんでした。色々あって無くしちゃったみたいで…。本当に申し訳ないです。】


階段を上る音がする



激しい足音からして母だと分かった


トイレに逃げよう



何気ない顔でトイレに行こうとすると、携帯のバイブ音が響いた



そのままトイレへは入れる訳も無く、携帯を取られた


少し長い廊下を恨んだ



「トイレにまで、持って行かなきゃいけない相手なの?(笑)」



嘲笑う母を見ながら思った



父がいるじゃないか



「キャァァァ!」



自分でも耳が痛くなるような声で叫んだ



勢いよくリビングのドアが開く音が聞こえた



母は鬱陶しそうな顔をして、私に携帯を投げ付けた



「花優愛ちゃん、どうした?」



父がいた



「何でもないのよ。この子いきなり叫ぶんだもん。びっくりしちゃった」


母が何気ない顔で言った



「無意味に叫ぶような子じゃないだろう?」



「…あなたは花優愛の何を知ってるの?ずっと帰ってきてなかったくせに!」




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