初恋
ばいばい先輩と2人で長く話をするのは初めてかもしれない



「ねぇねぇ、冴川ちゃんって呼ぶと柊城と被るからさ、花優ちゃんって呼んでもいい?…呼び捨てだと図々しいじゃん?」



歩きながらばいばい先輩が話す



ガムか飴を食べているのか、お菓子の匂いがした


「全然いいですよ、呼び捨てでも」



先輩をチラリと見て言うと、驚いたようで、



「えぇぇぇ!マジで!?」



大きな声で叫ばれた




「やったぁ。なんか柊城よりリードしたっぽくない?」


なんて言いながら笑ってくれた



身長は櫻木先輩よりも低い(とは言っても、175は絶対ある)けれど櫻木先輩とはまた違った格好良さがあった



明るめの茶髪に、二重幅は狭いけど大きくて切れ長い目、綺麗な桜色の薄い大きな口…意外にもピアスは両耳一つずつ


芸能人にいそうな顔だった



「そういえば、ばいばい先輩って彼女さんいないんですか?」



「それ前も聞かなかったっけ?いないけどさ」



「そうですか?…理想とか高いんですか?」



「どうだろうね。好きな人はいるけれどさ。…飴食べる?」



喋りながら、先輩は 飴を差し出してきた



外国のアニメに出てきそうなカラフルな飴が手に乗っている



赤色のを受け取ると、先輩は緑色を口に放り込んだ



同じように飴を放り込めば、チェリーの味が広がった



「好きな人ですか…いいなぁ。どんな方なんですか?」



飴が入っているので少し喋りにくい





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