初恋
保健室の先生は私の事を理解していてくれたから、

「ゆっくりしていってね」


としか言わなかった。



ソファに座り、長机に俯せになっていた時。


向かいのイスに誰かが座った。



私には関係ない。


そう思って、体を最大限に縮めた。






「大丈夫かー?」



いきなり向かいの人が喋った。



他の誰かに話かけたのかもしれないけれど、一応顔を上げた。





私を見ていた。




3年の不良の先輩の

櫻木柊城だった。





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