初恋
見た目的にデブなのは分かったはずだし、俯せで長い髪を机に散乱させている時点で暗い子だって分かったはず。



何も考えていない優しい人なのか、デブスだからからかってやろうと思ったのかは分からない。



他の先輩たちみたいにガチガチにセットしてないナチュラルな黒髪に、目鼻立ちがはっきりしていて、耳には大量のゴールドのピアス。口の端にも一つのピアス。



近くでみると、格好よかった。



返事をきくと、先輩は


「そっか」

と笑顔になり、正反対のソファに移動した。



「俺マジで今さぁ女いないから学校来ても意味ないんだよね」



先生と話を始めた。


「へぇ。櫻木くんも出来ない時があるんだ」


「俺だって出来ない時はあるから(笑)…はぁ、暇だわ」



前、噂されてた付き合ってた彼女とは別れたのかぁと思いながら、俯せの状態を続けた。






< 6 / 238 >

この作品をシェア

pagetop