天狗様は俺様です!
「……仕方ないなぁ……。こうなったら私が直接指導してあげるよ」

 ミヤちゃんがそう呟くと、他のクラスメイトがどよめく。



 え?

 何?

 どうしたの?



 私は戸惑いながらも、クラスメイトの言葉を聞き取った。


「金木が指導するって?」

「戒くんかわいそう……」

「アイツ死んだな」



 …………。

 何だろうこの言われよう。


 皆ミヤちゃんのこと恐れてる?



 クラスメイトの様子を見るとそんな感じに見える。

 

 もしかして、何気にこのクラスを牛耳ってるのってミヤちゃん?


 最近の彼女の様子を思い出してもそう思う。

 文化祭の準備や演劇練習。

 それらの指示をテキパキと出し、クラスをまとめていたから。



 可愛い顔してやり手のキャリアウーマンみたい。

 ……でも、何だか怖がられてもいるみたいだよね。
 現状を見ると。



 なんて思いながら私は傍観者に徹していた。

 だって、巻き込まれたくはない。




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