天狗様は俺様です!
「ここでいいのか?」

 一応確認され、「うん」と頷く。


 そして――。


「あ……あり、がとう……」


 途切れながらもお礼を言った。

 一応、今回は変に回転したりとかしないでちゃんと送り届けてくれたし……。



 でも、すぐに私はお礼を言ったことを後悔する事になる。


「お礼なら、こっちの方がいいんだけどな?」


 そう言われたのも束の間。

 気付いたときには後頭部を掴み引き寄せられ、唇が触れていた。


「んっ!?」


 驚きつつも抵抗するが、もう片方の腕で抱きしめられ動きを封じられる。

 舌が閉じた唇を押し開こうとしてくるけど、私は最後の抵抗として口は開けなかった。


 すると私の体を抱きしめていた手が、スゥ……と背筋を軽くなぞる。


「っぅあっ!?」

 ゾクゾクとした感覚に、思わず悲鳴のようなものを漏らしてしまう。


 男はその瞬間を狙い、また私の唇を塞ぎ今度は舌を入れてきた。

「やっ、んっ……ふぁ」


 慣れない柔らかい舌の感触に、嫌だと思う。

 でももう抵抗することは出来なくて、ただ男のされるがままになっていた……。




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