天狗様は俺様です!
 今からでもと暴れようとすると、その前に耳元で囁かれる。


「実花、動くな」

「っ!?」


 仮契約中の私はその言葉に逆らえない。

 案の定意志とは正反対に身体が動かせなくなる。


「さぁて……お仕置きの時間だ」

 なめかましくもあるその声に、ゾクリと身が震える気がした。


「い、嫌よ! 全部カイが悪いんでしょう!? 川内くんに押し倒されたのも、彼に触られて……その、感じちゃったのも! っひゃあ!?」

 一通り言い切ったところで耳の縁を舐められる。

 そしてそのまま耳の近くでクツクツと喉で笑われた。


「そうだとしても、襲い易い状況にしたのは寄り道したお前だろ?」


 そう言った口は私の首筋に下り、舌が這う。

「ぅんっ……」


「まあ、何にせよやめるつもりはねぇからな。諦めろ」

 そのカイの言葉の後は、もう彼の手に翻弄されるだけだった。







 毎日のようにHなことされて。

 川内くんみたいな妖怪に押し倒されたりもして。


 カイと出会ってから本当にろくなことがない。


 こんな状況でも救いはあるのかな?



 誰か教えてーーー!!




《第ニ話 河童のクラスメイト 【完】》


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