天狗様は俺様です!
 何より大事なのは、私自身が嫌だって思ってるって事!


 スリル?
 冗談じゃない。

 背徳的なのがイイ?
 ふざけんな。


 そのスリルがどんなにハラハラすることで、その背徳的な感じがどんなに嫌なものなのか理解しろってのよ!



 そんな思いで私はカイの腕を振り払おうとしたけど、ビクともしない。

 それどころか両手首を掴まれ、ドアのすぐ横の壁に押し付けられた。

「学校でとか、んなの知るかよ。肝心なのは俺がしたいかしたくないかだ」

 相変わらずの自分勝手な言い分。

 当然ながら私はカチンときた。


「ふっざけんなー!」


 叫んだ私は、いつぞやのようにカイの足を踏んづけようとする。

 でも……。



「おっと、そうは行くかよ」

 私が何をしようとしているのか気付いたカイは、股の間に足を割りいれてきた。


 その所為で足が思うように動かせなくなる。





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