君とニャンにゃん☆
「無理なんてしてないよ」
俺はそれだけ言い残して
背中に笑顔を感じながら踵を返す
「あ、幸人!」
また母が呼び止める
「あの子、女性を連れていたわ」
……女性???
「彼女かしらね、邪魔しちゃ駄目よ」
年に似合わず若々しい笑顔
父親もこういうところに惹かれたのか
「うん」
俺は母と別れ家に上がった
そして足を進める
回りの声は聞こえはしない
ただ一点を目指して
……どこに向かっていたのだろう