キミに届け
要するにこのプリントをまとめてホッチキスで綴じればいいということらしい。
この量を1人で…?
軽く1000枚くらいはありそうだ。
せめて分けといてくれてもいいじゃん!なんて愚痴すら誰も聞いてくれなかった。
ポツン、と教室に1人。
あたしはプリントをページごとに机の上に置き換えていく。
黙々作業を進めるあたしは、誰に褒められることなく虚しい作業を続ける。
「はぁ…」
冴子が逃げる理由も分かる。
こんな面倒な作業をあたしに押し付けた先生の気持ちも分かる。
分かるけど…ふざけんな。
込み上げる苛立ちを飲み込み、小さくため息を吐いてプリントを手にしようとしたときだった。