*coffret a bijoux*(SS集)
だけど瑞樹クンの指が
それを許さず、




「莉央も呼んで。

オレのこと、名前で」




「――瑞樹――…」




こんなにも短いお互いの
名前なのに。




ただそれだけで魔法の
言葉みたいに聞こえる
のが、不思議。




だけど、その威力は絶大だ。




彼の名を呼んで、彼の瞳を
見つめて。




それだけでもう、あたしは
他のことなんて何も
考えられなくなってる。



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