*coffret a bijoux*(SS集)
「ったく……お前ってヤツは」



呆れてるような。


それでいて嬉しそうな
声が、そっとあたしの心を
くすぐる。



「いいでしょ?

あそこほどあたし達に
ピッタリの場所なんて
ないじゃない」



「――バカ。

オレに異存なんかあるわけ
ねーだろ。

だけど、時間がかかんぜ?
まず許可とらないといけ
ないし、準備も全部
自分達でしないと――」



「いいよ、時間かかったって。

仕事の合間に少しずつ
進めていけばいいじゃない」



なんせ時間はたっぷりある。



あたし達はこれから十年も
数十年も、ずっと一緒に
いるんだもの。



その中のほんの数ヶ月
なんて、焦る必要は
これっぽっちもない。
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