*coffret a bijoux*(SS集)
でも、柊弥はあたしの
とがめる声なんて気にも
しない様子で、



「大丈夫、誰も見てやしねーよ」



言いながらたくみに動かす
指先で、いつの間にかもう
着てたブラウスのボタンは
ほとんど外され、ブラが
あらわになってる。



恥ずかしさでカッと血が
のぼる感覚と、肌に直接
触れる夜風。



熱いのか冷たいのかよく
わかんなくなりながら、
あたしは慌てて身をよじった。



「やっ……やだっ、こんな
とこで!

お願い、やめて!」



「やめない。

お前こそ、んな大声出して
たら隣に気づかれるぞ」



「……………!!」



あたしは慌てて掌で口を
ふさぎ――って、なんで
あたしが悪いみたいに
言われなきゃなんないのよ!?
< 167 / 243 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop