*coffret a bijoux*(SS集)
「平気だよ。

奈々にはオレがメールしといた。
今日は直帰する、って」


「えっ!?」


メール? いつの間に?


「用意周到なのはいつもの
ことですから」


自分でそう言ってクスッと
笑うと、瞬也は右手でそっと
あたしの頬に触れる。


しなやかな指が、感触を
確かめるように肌の上を
行き来した。


「……誰に妬いてんの、今さら」


「…………っ」


ビクッと体が強張ったのは……
この体勢じゃ、もちろん
瞬也にもバレバレだったろう。


勘のいい瞬也。

もしかして、さっきあたしが
考えてたことも、全部
見抜いてる……?


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