*coffret a bijoux*(SS集)
そんなことはわかってる。


ただ、そこからあたしが
瞬也の過去を想像して……
くだらないジェラシーに、
とらわれてるだけだって。


(でも、仕方ないじゃない。

思い出しちゃったら、
ムシャクシャするんだもの)


「………………」


そうは思いつつも、自分の
大人気なさは充分理解してる。


いたたまれなくて黙り込んで
いたら、瞬也はあたしの顎を
掴んでいた手をおろして、
ハァッと大きなため息をついた。


「わかってないな、美咲は」


「え? な、何がよ?」


「オレの“特別”を見てる
のは、美咲だけなのに。

そのことにちっとも
気づいてない」


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