*coffret a bijoux*(SS集)
「大好きだよ、美咲」


柔らかな頬に触れながら、
そっと顔を寄せ耳元に囁いた。


満たされた心が自然と
顔にも出て、自分が
微笑んでるのがわかる。


ふと、数時間前の自分の
セリフを思い出した。


『オレの“特別”を知ってる
ことに、美咲はちっとも
気づいてない』


「……ま、見せてないん
だけどね」


ゴメンね美咲。

だってほら、オレって
こんなだから。


オレが美咲にベタ惚れで、
こんな威厳形無しの顔してる
なんて、見せられないじゃん。


……だからこの一時は、
オレだけのもの。


美咲が眠ってからのこの
時間が、かけがえのない、
最高の時間なんだ。


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