アイ・マイ・上司【完全版】
彼から次々飛び出す、甘い誘惑に逆らえなくなる…。
「今は誰もいないから良いんだよ。 それくらいの画策はしてるけど?」
「っ…、ひ、かるさん…」
誘導されるのを感じつつ、たどたどしく彼を呼べば。
「呼び捨てじゃないの?」
「…ひ、かる…」
「よく出来ました」
ググッと惹きつけるだけ、その甘い香りで惹きつけておいて。
おバカな私を上手く転がす彼には、降伏する外ナイ。
まして私たちは、上司と部下という関係から始まっているから無理もナイ。
「鈴、イケナイ事しよっか?…会議室行く?」
「っ…、それはダメです!」
「フッ…、それは残念だ」
「もぉー…」
どうやら笑った彼には、私も善からぬ想像が働いた事はお見通しのよう。
私の方が、稲葉 輝に嵌って、堕ちているもの…――
すると扇情的な眼差しの輝が近づいた刹那、そっと目を伏せれば。
「ンンッ・・・」
ソレは彼の体温と、オリエンタルな香りに酔いしれる甘いキスで。
私を惹きつけて止まない秘密が、またひとつ増えていくの。
「鈴、愛してる…」
fuzzyな輝がclearlyに変わるのも、すぐよね…?
【アイ・マイ・上司★終】