恋人は主治医
それから優くんの家に向かった
私のアパートから15分ぐらいで着いた
「着いたぞ」
言われた時、呆然としてしまった
マンションだけどでかくない
「何立ち尽くしてんだよ
早く中はいるぞ」
「分かってるけど」
「何だよ」
「こんな大きいマンションに一人で住んでたの?
玄関にセキュリティまであるし」
「まぁな
そんなびっくりすることか」
びっくりするもなにも
これからこのマンションで暮らすのが嘘みたい
「まぁ心優にとったら
ホテルみたいなもんかもな
ほらいくぞ」
優くんが歩きだした後を追い掛けるように私も歩きだした
玄関のセキュリティをカードで開けて
エルベーターに乗って3階まで行った
302の番号の前で立ち止まる
「ここが俺らの家な
ちゃんと号室覚えておけよ」
「302号室ね」
鞄から鍵を取り出してドアの鍵を開ける
「心優開けて良いよ」
「えっ!?いいの」
「あぁ
それにこれからは俺とお前の家だしな
遠慮いらないよ」
「ありがとう」
静かにドアを前に引いた