ケモノ微熱38℃


それが何時からだったか、今では思い出せない。


重苦しい空気を取り払うかのように、流行りの軽快な着メロが流れた。



「はぁい」


『アリスー?今日もいつものクラブね』


「オッケー。準備したら行くね」


『ん~。じゃあ、後で~』


「はいはーい」



返事をしてケータイをベッドに投げて、制服を脱ぐ。


黒のミニワンピに赤のレザーを羽織って、玄関に雑に脱ぎ捨てられたショートブーツを履いた。


向かうのは、夜の溜まり場のクラブ。


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